団地の某おばあさんの話
昨日、いつものランニングコースをウォーキングした。団地の角にお年よりたちが集まる休憩場所がある。走るときは横目で見ながら通りすぎるが、昨日は某おばあさん1人だったので立ち寄って話をした。
おばさんの身のうえ話に心を打たれた。
「私は26歳から一人で3人の男の子を育てた。母親の顔も知らない、きょうだいもいない。学校に行ったこともない」
「母が死に山原の田舎で祖父母に育てられた。6歳の時から那覇の親戚に預けられた。結婚して3人の男の子が生まれた。夫が亡くなり1人で育てた。子どもには貧しい生活を強いた。学校に行くようになっても小遣いもあげない、バス賃もあげない。子どもからは“おにばばと”と言われた。子どもが大きくなったらきっと捨てられると思った」
「今は82歳。息子3人とも仕事について、孫7人、ひ孫8人がいる。自分は母の仏壇を守って1人で団地に住んでいる。子ども、孫、嫁さんがとって良くしてくれる。
「仏壇に向かって泣いている母の姿をみた”と息子が孫に語る」
くり返し出てくる言葉は“今は幸せ”という言葉だった。
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